印象派の殿堂 オルセー美術館の名画

【作品解説】ポール・ゴーギャン《アレアレア》

2015年01月13日

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本日はゴーギャンの名作をご紹介します。

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ポール・ゴーギャン(1848-1903)
「アレアレア」
1892年
油彩/カンヴァス

アレアレアとはポリネシア語で「喜び」「楽しさ」を意味する言葉です。この作品の前景には2人の女性と犬が描かれ、背景には巨大な女神の像に祈りを捧げる3人の女性が描かれています。しかし実は、この絵に描かれたような光景はどこにも存在しないのです。

ゴーギャンは印象派展への参加からスタートしましたが、その後、輪郭線で囲んだ中をひとつの色調で埋めていくクロワゾニスムと呼ばれる技法を編み出し、構成の美しさを重視する作品を描きました。

彼は未開の地に失われた理想郷があると考え、南太平洋のフランス領タヒチに渡航しましたが、ゴーギャンの夢見たような手付かずの自然やポリネシア文化はすでに失われつつありました。失望した彼は西洋人がほとんど来ない辺鄙な村に移り住み、島の少女と暮らしながら、目にした光景やタヒチの神話・宗教をインスピレーションの源としてエキゾチックな作品を描いていきました。つまりタヒチでのゴーギャンの作品は、実際の島の様子を描いたものではなく、彼が頭の中で創り上げたタヒチのイメージを描いたものなのです。

ゴッホやゴーギャンは、自然を描写する印象派の影響を受けながらも、自己の内面を作品に投影するという、全く異なった作風にたどりつきました。彼らの作品は、セザンヌの構成的な作品とともに、二十世紀絵画のもうひとつの潮流を作りだしていくことになります。

©Ars Techne / Musée d’Orsay

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